2007年10月20日土曜日

富士でのレース強行と商業主義は関係ないよ


FIA競技運営団と、主催者は別個の関係にある。したがって、富士スピードウェイ側が公式コメントとして「(悪天候下での進行には)我々は関知していない」と言い切る事はできる。
[スコアカード-Formula One] 悲劇は避けられたが……、"改善"は避けられない。 - goo スポーツ:NumberWeb - by 今宮純
ということで,F1 GPにおいては「スポーツとしてのF1」と「興行 or ビジネスとしてのF1」とは比較的はっきりと区別されています.組織的にもFIA MotorsportsとFormula One Holdings (および関連するグループ会社)は別物でありまして,競技面での権限を持つのはFIA側のみでFOHは口出ししか出来ません.逆にTV放映権をはじめとする商業面をコントロールするのがFOH.昔々,ブラバムにいたバーニー・エクレストン率いるコンストラクター団体のFOCAがFISA (現FIA Motorsports)に対して叛旗を翻したFISA-FOCA問題の名残ですな.

これを踏まえて.富士での日本GPに関して「決勝レースがあの霧でも中止にならなかったのは,トヨタや富士スピードウェイの商業主義が原因」という批判がありました.しかし,決勝レースを予定通り行うか中止するかというのはあくまでFIA側の判断です.レギュレーション上レースが成立しなければチケットの払い戻しなどがあるので,富士スピードウェイとしても開催されないよりはされた方がいいのは当たり前ですが,富士スピードウェイはその決定には関われません.つまり,決勝レースを決行した点で批判されるべきなのは,商業主義どうこうではなく,富士の天候を読み誤ったFIA競技運営団の方です.

今回の日本GPはサーキットの外でも中でもいろいろと大混乱だったわけだけど,批判すべき相手を間違ってはいけないと思うので一応書いてみました.

2007年10月14日日曜日

亀田一家の演出

先日の内藤 vs. 大毅の試合はあまりちゃんと見てないんで,試合について直接は触れません.

ボクシングに代表される格闘技はスポーツではあるものの,その性質上野球やらサッカーやらに比べると圧倒的に試合数は少なくなります.ということで,観客やTV視聴者の興味を引いて興行をきちんと盛り上げるためには,試合のちょっと前からリング外で話題作りをすることが必要です.例えば,練習風景をマスコミに公開したり,公開スパーリングをしたり,記者会見をしたり,という感じ.キャラ付けのためにはある程度の演出も必要ですが,PRIDEに出てたときのQ. "ランページ"・ジャクソンのように「ホームレスやってる」とか,ミノワマンのように「バッティングセンターで練習」とかやると行き過ぎなので注意しましょう.

で,亀田一家の場合.ある程度「不良キャラ」で売るのはしょうがないと思います.が,個人的にちょっと気になったのが,
  • 亀田一家(特にコーチの亀田史郎)は「マスコミに表れている自分たちの姿が演出である」ということを理解していなかったのではないか
  • マスコミ側は「亀田一家の実力が演出に見合うものではない」ということを理解していなかったのではないか
という2点.こういうのは本来ジムの代表なり第三者なりがきちんとコントロールすれば済むだけの話なんだけど,結局金を産むニワトリである亀田一家には誰も口出しできなかったってことなんでしょうな.

というわけで,亀田一家はヒールを貫けるだけの能力がなかったんですね,というのと,演出を演出と理解できないようならプロレスでも辛いんじゃないか,というお話でした.

いろんなところで言われてることだけど,父親離れしてきちんとしたコーチの元で鍛え上げられた亀田三兄弟なら見てみたい気がする.

2007年10月11日木曜日

NASCARの勢いがすごい

モントーヤみたいに「F1でチャンピオンを取るほどではなかったけど何回か優勝はしていて、本人の実力以外の理由でF1を離れた」というようなドライバーがいたとして、5年ぐらい前ならそのドライバーは確実にIRLまたはチャンプカーに参戦していたはずです。現実のモントーヤはCART時代の古巣であるチップ・ガナッシ・レーシングと契約した……ところまではよかったんですが、参戦しているカテゴリーはNASCAR Nextel Cup。6月のソノマではNextel Cup初優勝を果たしています。

他の有名所で言うと、ジャック・ビルヌーブも先日のタラデガでNASCAR Nextel Cupデビュー。2007年のF1 GPで唯一のアメリカ人ドライバーだったスコット・スピードも来年はNASCARに参戦します。なんと2007年IRLチャンピオンのダリオ・フランキティまでNASCAR トラックシリーズでデビューしてしまいました(2008年は最高峰のNextel Cup参戦)。さらに、チャンプカーで何度か勝っているパトリック・カーペンティアや、草創期からIRL一筋のサム・ホーニッシュJr.もNASCAR入りの噂があります。

というわけで、何が言いたいのかというと、アメリカのオープンホイールレースが現在完全にガタガタになってますよ、ということ。日本だとホンダのがんばりもあってIRLは人気があるというイメージを持たれがちですが、実際には「チャンプカーよりまし」という程度の話。

今年のエイプリル・フールのネタで「IRLがNASCARの前座になる」というのがあったけど、いずれはそのネタが本当になる、とか、IRLとチャンプカーのシリーズ再統合、とか、そういうことになるんでしょうね。 ヨーロッパとの人材交流もなくなりそう。

2007年10月8日月曜日

ノリックのコラム

加藤大治郎が2003年日本GP(鈴鹿サーキット)で事故死した直後、2003年4月23日付けでヤマハ発動機レース情報サイトに「つらく、悲しすぎる現実」というノリックのコラムが掲載されています。残念ながら現在オリジナルを見ることはできませんが、昔の僕の日記での引用から、さらに引用。
「安らかに眠ってほしい」とみんな言うけど、僕には今の段階で、まだそう思うことができずにいる。大ちゃんの目標はまだまだ先にあったから、ということもある。それもあるけど、僕自身はサーキットでは絶対に死にたくないからだ。最期は自分の家で、家族に囲まれて安らかに息を引き取りたい。

(中略)

いくらレースが好きだと言っても、サーキットで死ぬことが本望だなんて僕は全然思わない。ライダーは極限まで攻め込んでいく一方で、常に危険も避けたいと思っている。もちろん攻めれば攻めるほど危険は増すけど、それでも攻めていく。
こういうこと書いてた人が公道での交通事故で死んでしまうというのは、なんだか切ないなあ……。

ノリック、事故死

公道上でトラックに追突して事故死って、そんな間抜けな死に方してる場合かよ。30代になっても40代になっても、1994年の日本GPとか、1996年の日本GPみたいな走りを見せ続けてほしかったんだよ。WGPデビューした時から訴え続けていた日本のライダーの待遇問題でもやるべきことはまだまだあるんだし。「記録より記憶に残る」なんて言われても、ファンは全然うれしくないんだよ……。

マクレーにしても、ノリックにしても、単なるファンが見てても「ほんとにこいつはモータースポーツ好きなんだなあ」と思えるようなレーサーが、レースとは何の関係もない事故で死んでしまうというのはなんだか不条理に感じる。一番不条理に感じているのは本人かもしれないけど。

2007年10月6日土曜日

F1日本GP

今さらながらF1日本GPの話題。僕自身は結局ちょこちょこっとテレビ観戦しただけで、現場での混乱についてはインターネットのニュースサイトで見た範囲でしか知りません。

その範囲で判断すると、今回の件に関する一番の問題は観客のハンドリングなんですよね。要するに、ただのイベント運営のイロハ。で、今回についてはトヨタは学園祭レベルでもできるようなイベント運営のイロハすらがまともにできてなかったわけで、大げさに言えばトヨタご自慢の経営システムはトヨタ社外では役に立たないということが露呈してしまったことになります。モータースポーツ以前の問題として、将来のトヨタの経営は大丈夫なのか、とかそういうレベルの問題なわけです。

トヨタの95年WRCにおけるレギュレーション違反事件まで引っ張り出して、トヨタのモータースポーツに対する姿勢を問題視する意見が出てたりするし、そうしたくなる気持ちもわからんでもないけど、モータースポーツとか全然関係ないわけで、このあたりは分けて考える必要があります。

あと、レースが天候による混乱でぐちゃぐちゃになったというのは、エクレストンも言ってたとおり「それもサーキットの個性」ということで、多少はしょうがないと思います。セーフティカー・ランがやたらと長かったり、霧でまともな視界が確保できない状態でレースを続行したり、というのは問題ではあるけど。

歴史を遡れば、96年に一旦ITC (国際ツーリングカー選手権)の開催契約を結びチケット発売の準備までしておきながら開催3ヶ月前にいきなり開催をキャンセルしたTI英田サーキット(当時。現・岡山国際サーキット)とか、世界選手権まで開催してたモトクロス・コースをいきなり閉鎖した鈴鹿サーキットとか、日本のサーキットは富士以外でもいろいろほこりが出てきます。ここで英田や鈴鹿が出てこないってことは、「トヨタ憎し」が先行しちゃってるってことなんだろうなあ。